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未経験で警備員の新任教育を受けてみた。座学と実技、正直な感想
警備員として現場に立つ前には、法律で決められた「新任教育」という研修を受ける必要があります。未経験の場合は20時間以上。中身は、警備業法や基本動作などを学ぶ「基本教育」と、交通誘導なら交通誘導、というように実際の業務に合わせた「業務別教育」の二本立てです。
私の場合は少人数の会社だったので、同期はほんの数人。研修もほぼ一対一に近い形で、週に1回ほどのペースで通いました。
座学は、警備業の歴史や警備業法などを学ぶ、いわゆる授業そのものでした。講義を聞いて、簡単な問題を解いて、答え合わせをする。流れがしっかりしていて、すんなり頭に入りました。敬礼などの基本動作はほんの少し。声出しのような体育会系の練習はありませんでした。
座学で一番驚いたのは、警備員には、車や歩行者を止める権限が一切ないということでした。警察とは違って、「絶対に止まってください」と強制することはできません。あくまで、お願いをして協力していただく立場です。
それまで何気なく見ていた、道路に立つ警備員さんたち。あの人たちは車を止めていたのではなく、ドライバーにお願いをしていたんだ。そう気づいたとき、警備員という仕事の見え方が少し変わりました。
ただ正直なところ、座学で学んだことを現場でそのまま使う場面は、あまりありません。
実技の時間もありました。ただその多くは、現場での配置の考え方を学ぶ、机の上の授業に近いものでした。ここは通行止めにするからこの位置に人を置く。ここは歩行者が通るから、誘導のために人を置く。どういう目的で、どこに警備員を立たせるのか。話を聞いているときは、なるほどとイメージもつきました。
でも、いざ現場に立ってみると思うんです。誘導棒の振り方、もっと教わっておけばよかった。実際に振る練習を、もっとしておきたかった、と。
研修で振ったのは、赤と白の手旗だけでした。赤が止まれ、白が進め。役割がはっきりしていて、分かりやすい道具です。最初は日勤からのスタートだったので、この手旗の練習はちゃんと役に立ちました。
困ったのは、夕方や雨、風の強い日。手旗が使えないときは、オレンジに光る誘導灯に持ち替えます。戸惑ったのは、合図の出し方が人によってけっこう違うことでした。「了解」ひとつ取っても、ただ棒を振る人もいれば、丸を描く人もいる。丸を描く人の中でも、手首だけで小さく回す人もいれば、腕全体で大きく描く人もいる。現場の見通しや、相方との距離によって変えているのかもしれません。でも、はっきり決まったルールがあるようには見えなくて、慣れるまでは読み取るのに苦労しました。
結局、合図は現場で覚えていくものでした。こちらから聞きにくいときもありますが、ありがたいことに、先輩の方から指摘してくれることもあります。そのときに、素直に受け止められたのがよかったのだと思います。
